ワークライフバランスという言葉が定着し、リモートワークやスキマバイトなど様々な働き方が広まっている近年、社員と会社の関係や社員同士のコミュニケーションが希薄になってきています。
こうした状況は優秀な社員の離職やいざというときの組織としてのチームワークの欠如など、会社にとってマイナスに動く可能性も考えられます。
そこで社内のコミュニケーションを促進するツールとして効果を発揮してくれるのが「社内報」です。
今回は多様化した働き方にあわせた「社内報」のかたちについて説明していきます。
社内報について内容や形式を簡単におさらい
社内報とはそもそも、会社の事業計画や社員の近況など社内に関するあらゆる情報を共有するメディアコンテンツのこと。
新聞やパンフレットといった印刷物で展開されるイメージがあるかもしれませんが、実際にはWEBサイトやアプリケーション等といったデジタルメディアの社内報をつくっているところも少なくありません。
弊社が会社員に「自分の企業で社内報を発行しているか」というアンケートを過去に行った際も、紙媒体で作っているところとデジタルコンテンツで作っているところの割合は大体半分ほどでした。
社内報に掲載する内容としては、新入社員へのインタビューや最新の業界動向といった一般的なものだけでなく、社員のペット自慢や写真コンクールなど会社によってはユニークなコーナーを設けている例も見られます。
社内報を制作する4つの主な目的
- 目的①・ビジョンや将来像の共有…企業の将来の目標やその達成に必要な戦略などを社内報で伝えることで、社内全員で同じビジョンを共有できます。
- 目的②・自社への帰属意識の向上…自社が社会活動や国際展開などを行う姿を見せることで、会社に対し好意的なイメージがつきやすく社員の士気低下の防止につながります。
- 目的③・社員同士の交流の強化…社内報の情報が話題となり社員同士のコミュニケーションが生まれることで、互いの理解が深まりチームワーク強化につながります。
- 目的④・就活等での対外的なアピール…採用活動や株主総会等で社内報を配布することで、会社の素の姿を対外的に発信して良い印象を与えるきっかけとなります。
社内報の優れた事例を評価する「社内報アワード」
「社内報アワード」はウィズワークス株式会社が毎年開催している、日本全国から応募された社内報から特に優れたものを審査して表彰するコンクールです。
2023年11月の時点ではこれまで全国の2,700社もの企業がアワードに応募しており、誰もが知っているような大企業も数多くエントリーしています。
審査では6つの項目により応募作が評価され、点数に応じてゴールド・シルバー・ブロンズの各賞が授与されます。
2025年度のアワードでは、能登半島地震の復興活動を特集したリース会社の社内報などがゴールド賞に選ばれました。
多様な社員にあわせた社内報のかたちとは
① 時短勤務の社員が多い職場の場合
共働きや家族の育児・介護などで時短勤務を行っている社員には、「忙しい中でもさくっと読める」社内報が望ましいです。
そのため通勤中や子供の送り迎えの合間などにスマホでサクっと読めるWEBアプリや、持ち運びやすい小冊子のものが適しています。
また社内報を読む時間が無駄だと感じられないよう、仕事はもちろん家事や育児など生活の手間や負担を減らすための施策を掲載するのもよいでしょう。
[企画例]:時短に役立つ!先輩社員の「業務のタイパテクニック」
経験豊富なベテラン社員にパソコンソフトの隠れた便利な機能といった日常業務の効率化に役立つ、テクニックやツール等を紹介します。
ほかにも「19時からの夕食を実現させる時短レシピ集」など、短時間で普段の家事をこなす方法を紹介するコーナー等もよいでしょう。
② 外国人の社員が多い職場の場合
母国の言葉も文化的な背景もバラバラな外国人が多く働く環境では、「多様性に基づいた内容」の社内報が望ましいです。
特に彼らが言語の壁を感じないよう、難解な表現をわかりやすく置き換えたり翻訳した文章を添えたりする工夫が好ましいです。
また母国と日本の生活習慣や文化、自然環境の比較など、外国人社員と日本人社員の話題のきっかけを与える内容を掲載するのもおすすめです。
[企画例]:日本でも手に入る!母国では定番のグルメ&グッズ
外国人社員の母国ではおなじみの食料品や雑貨の中で、日本でも入手可能なものをレビュー形式で紹介します。
また母国のものだけでなく、病気や災害など緊急事態になった時のための備えを用意する手段など日本での生活をサポートするアイテムも言及するとよいでしょう。
③ シニア世代の社員が多い職場の場合
60代~70代のシニア世代の社員が多く働いている職場では、「年配者への適度な敬意や配慮が見られる」社内報が望ましいです。
カタカナ言葉や若い世代の流行語を避けて、文字の大きさや行間を見やすくした紙媒体のものがおすすめです。
どのような内容で書いたらいいかわからなければ、まずは健康面や金銭面などベタに関心を集められそうな話題で制作してみましょう。
[企画例]:シニア世代のお悩みを解消する!便利なITツール
シニア世代が感じやすい悩みの解消に役立つ、スマホアプリや電子機器といったITツールの使い方をわかりやすく丁寧に解説します。
特にキャッシュレス決済など、普段多くの人が使っているからこそ使い方を聞きづらいものの使い方について取り上げるのがおすすめです。
④ パート・派遣・委託社員の多い職場の場合
パートや他社からの派遣や委託として働いている社員には、「組織の一員を認知させて疎外感を与えない」社内報が望ましいです。
会社で働き始めて日も浅い人も多いため、ミッションやパーパスをただ伝えるような社内報では関心が持たれにくくなってしまいます。
会社の休暇制度や施設紹介など全社員が対象となる話題や、普段の業務内容を紹介するなど彼らに関わりのある内容が好ましいです。
[企画例]:「知ってほしい!『パート社員の本音インタビュー』」
普段あまりコミュニケーションをとれない他の社員に対して、社内報の場を借りて自由に思っていることを伝える企画です。
業務を効率よく進めるコツ等を社内全体に向けて質問したり、自分の特技や趣味をアピールしたりなど相互で交流を促進する場となるでしょう。
社内報を作成する6つのステップ
- ① 基礎計画・スケジュール設定…どんな形でどんな社員に向けて社内報を展開したいか考え、基礎となる案をもとに大まかな制作スケジュールを立てます。
- ② 全体レイアウト設計・企画構成…どんな内容をどこにどれほど掲載するか、全体的な構成レイアウトを設計します。
記事の共通テンプレートを用意しておけば、制作作業がスムーズになるだけでなく、全体的に統一感のある整った見た目に仕上がりますよ。 - ③ 記事内容の取材・調査…社員へのインタビューやアンケート、時には社外に足を運んで調査を実施したりして記事原稿のもととなる情報を集めます。
社員や関係者に取材をする際は、通常業務の妨げにならないよう時間や場所の都合をなるべく相手に合わせておきましょう。 - ④ 記事の原稿作成…取材や調査で集めた情報を整理して、文章や画像など原稿に掲載する要素を用意していきます。
- ⑤ 記事の校正・校閲…原稿に誤字や脱字、誤った情報が残っていないか細かくチェックして、適宜修正をしていきます。
- ⑥ 社内報として発行・公開…社内報の原稿が完成したら、印刷物やデジタルコンテンツとして社内に配布・展開していきます。
社内報の作成で気を付けるべき3つの点
① 社内にどんな社員が多いかを把握する
より多くの社員に読んでもらえるよう、社員の男女比や年齢層などを把握して社員の関心を得やすいテーマ作りに活かしましょう。
社内報を誰に一番読んでもらいたいかターゲットとなる人物像(ペルソナ)を設定すれば、より具体的な記事の内容を考えるのに役立ちます。
「入社2年目で今後のキャリアについて考えている若手社員」というように、細かくペルソナを設定するほど、はっきりとニーズや関心ごとが見えやすくなります。
② 社員からのヒアリングで実際の声を集める
実際の社員側の情報を一切反映していなければ、どんな社内報でも社員にとっては共感しにくく読みたくない内容に感じてしまいます。
幹部や代表者だけでなくバイトやインターン生なども含めて社内の関係者全体からの意見をヒアリングすることで、社内の声が伝わる意義のある社内報を作れます。
また社員にインタビューやアンケートを取る際は、勤務時間や勤務形態がわかっていれば向こうの都合に合わせてスムーズに実施できます。
③ 偏見と思われそうな表現を避ける
例え中傷したり揶揄したりする意図がなくても、本人が性別や人種などの偏見に感じるおそれがある表現がないよう気を付けましょう。
読者からこうした誤解を招くような表現があると、社員の尊厳を傷つけるだけでなく企業のイメージや信頼感に悪影響を及ぼし、帰属意識の低下につながります。
「女性ならではの視点」や「外国人なのに日本語が上手」といったプラスの意味であっても、別の言い回しに差し換えて書くのが無難です。
ターゲットにとって「読みやすい、読みたい」社内報を目指そう
老若男女問わず社会であらゆるかたちで働いている時代、社内報もどの社員にも伝わるようレイアウトや書き方などを工夫する必要があります。
今回は「時短勤務」「外国人労働者」「シニア世代」「派遣・パート勤務」と4つの状況を仮定して注意点や企画の例を挙げましたが、当然会社の数だけどんな社内報を出すべきかも変わってくるはずです。
まずはターゲットとなる社員が読みやすいと感じるデザインや読みたくなる内容を第一に心がけて、社内報の制作に取り掛かってみましょう。
何に気を付ければいいか分からないときは、まず自分が「一人の社員」としてどんなレイアウト、どんな内容なら読みたくなるかを考えてみるのもおすすめです。
とはいえ、多様化する社員のニーズに合わせた企画を毎号考えたり、通常業務と兼任しながら取材や編集を進めたりするのは、決して簡単ではありません。
当社の「社内報制作サービス」では、経験豊富な専任スタッフが貴社の課題をヒアリングし、「読まれる、伝わる社内報」への改革をトータルでサポートします。
- 最適な媒体提案:業態や人員構成に合わせ、冊子・Web・アプリから選定
- まるごとワンストップ:テーマ企画から、取材・撮影、デザインまでお任せ
- ご担当者様の負担軽減:実務が忙しくても、クオリティの高い社内報を実現
「何から手を付ければいいかわからない」という段階でのご相談も大歓迎です。組織の一体感を高め、離職率低減やエンゲージメント向上に繋がる社内報を一緒に作りませんか?
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