ビジネスでも個人のプロジェクトでも、パンフレットやチラシ、冊子などの印刷物を発注する機会は減っているかもしれません。
しかし、だからこそ「初めての発注担当になってしまった。」「前任者から引継ぎがなかった。」など、ノウハウが蓄えられておらずいざ発注しないといけない場面で不安を抱える方も少なくないのではないでしょうか。
印刷発注は、適切な準備と少しの知識があるだけで、コストやスケジュールのリスクを大幅に減らすことができます。
今回は、印刷会社の視点から、発注を成功させるための具体的なポイントと、よくある落とし穴や疑問点を徹底解説します。
この記事を読めば、自信を持ってスムーズに印刷発注を進められるようになりますよ!
印刷発注の基本!プロが教える「事前に揃えるべきもの」
印刷発注をスムーズに進めるための第一歩は、事前の準備です。
「とりあえず見積もりを」と急ぐ前に、まずは以下の要素を整理しておきましょう。
- 印刷発注に必要な「仕様」の決定
印刷会社に見積もりを依頼する際、最低限必要となるのが「仕様(スペック)」です。以下の7つの要素をあらかじめ決めておきます。
- 形状:チラシのようなペライチなのか、蛇腹折りのパンフレットなのか、冊子なのか。
- サイズ:仕上がりのサイズがA4などの正寸でどのサイズなのか、変形なら正確な縦横のサイズ
- 色数:フルカラー(4色)、モノクロ(1色)、金銀や特色使用など。また、表面のみで裏は白なのか両面印刷なのか
- ページ数・部数:冊子なら表紙を含めた総ページ数、必要数ギリギリで頼んであとから追加発注すると1部あたりの単価が高くなってしまう可能性があるため、余裕を持った発注数量を計算します。
- 用紙の種類と厚さ:光沢のあるコート紙、落ち着いたマット紙など。特にこまかい指定がある場合には用紙の銘柄も記載します。
用紙の種類なんて分からない!という場合は、用途(例:高級感を出したい、文字を読みやすくしたい)を印刷会社に伝えてみてください。プロが最適な用紙をご提案します。
- 特殊加工の有無:箔押しや艶出し加工、PP貼りといった特殊加工は見積もりと納期に大きく影響します。
詳細に印刷会社へ情報を伝えましょう。
- デザインデータの有無:印刷会社に入稿するデータは、そのまま印刷に回せる「完全データ」があるのか、それとも企画やデザイン制作から依頼するのか。特にこの項目はブレが大きくなりやすいポイントです。できる限り正確に記載しましょう。
デザインデータがすでにある場合でも、使用している画像の解像度は十分か(印刷には350dpi以上が推奨されます)カラーモードはCMYKになっているか(RGBのままだと、印刷したときに色がくすんでしまいます)「塗り足し」や「文字のアウトライン化」は行われているかなど、データに不備がないか確認します。
これらのデータ不備は、納期遅延の最大の原因になりますし、データ変換で追加料金が発生する場合もあります。
入稿前にセルフチェックを行うか、印刷会社が提供しているチェックリストを活用しましょう。
企業の姿勢を示す「環境配慮(サステナブル)」対応
近年のビジネス印刷において、企業のSDGs達成や環境配慮への姿勢を求められるケースが増えています。
特に株主通信や会社案内、イベントで配布する冊子などは、どのような素材・方法で作られているかが企業のブランドイメージに直結します。
印刷発注の段階から、以下のような環境対応を視野に入れておくのがおすすめです。
- 環境配慮マークの掲載:石油系溶剤の割合を減らした「植物油インキ(ベジタブルインキ)」、印刷時に有害な廃液を出さない「水なし印刷」など、採用した仕様に応じて環境配慮を証明するロゴマークを印刷物に掲載できます。
- 用紙の選択:一般的な再生紙だけでなく、適切に管理された森林の木材を使用している証である「FSC®認証紙」や、本来廃棄されるはずの素材を再利用した非木材紙など、ストーリー性のある用紙を選ぶことも、企業の姿勢を伝える強力なメッセージになります。
「自社の印刷物でサステナブルな取り組みをアピールしたいけれど、どのマークが使えるの?」という場合は、ぜひ東洋美術印刷へご相談ください。
環境対応印刷に精通した担当者より仕様を提案させていただきます。
印刷物を発注する前に「決めておくべき」重要なこと
仕様のほかにも、発注前に社内やプロジェクト内で握っておくべき重要なポイントがあります。
ターゲットと「印刷物の目的」を明確にする
「誰に、何を伝え、どう行動してほしいのか」という目的を明確にしましょう。
例えば、展示会で配る即効性のあるチラシなら、手に取りやすいサイズと目立つ配色が求められます。
一方で、企業のブランド価値を高める会社案内なら、上質な用紙や特殊加工(箔押しなど)も検討したほうが良いでしょう。
スケジュールを「納期から逆算」して立てる
印刷には、データチェック、校正(確認作業)、印刷、加工、製本、配送といった多くの工程が含まれます。
「イベント当日に届かない!」という最悪の事態を防ぐためにも、【手元に欲しい日(納品日)】から逆算して、スケジュールに1〜2週間の余裕を持たせておくのが理想的です。
見積書・仕様書の正しい見方とチェックポイント
印刷会社から届いた見積書をチェックする際、金額だけを見て決めてしまうのは禁物です。
トラブルを防ぐために、以下のポイントを確認してください。
見積書ではここをチェック!必見ポイント
- 仕様の整合性:自分が依頼したサイズ、用紙、部数と合致しているか。
- 含まれる料金の範囲:「送料」「データ修正費」「校正費(色校正など)」が含まれているか。別料金になっている場合、後から予算オーバーになる可能性があります。
- 予備が含まれているか:印刷物には、配送時や仕分け時のために「予備(余分な部数)」が数部〜数十部つくことがありますが、会社により対応は異なります。
予備の有無も確認しておくと安心です。
請求書や重要ドキュメントの管理
発注が確定した後は、見積書、仕様書、最終校正データ(PDFなど)を案件ごとにフォルダ分けして管理しましょう。
特に定期的に改訂する印刷物(毎年の会社案内など)の場合、「前回どの用紙で、何部刷ったか」という記録が、次回の発注をスムーズにする大きな資産になります。
印刷料金を賢く抑える!比較と選び方のコツ
「できるだけコストを抑えたい」というのは、多くの発注者様に共通する本音だと思います。
印刷料金の仕組み(積算)を理解すると、賢くコストダウンを図ることができます。
印刷料金の仕組み(固定費と変動費)
印刷には、データを印刷用の「版」にするための固定費(版代やデータ処理代)と、紙代・インク代などの部数によって金額が変わる変動費があります。
そのため、「少部数だと1部あたりの単価が高くなり、大部数になるほど1部あたりの単価が安くなる」という特性があります。
| 発注部数 | 総額 | 1部あたりの単価 | おすすめの印刷方式 |
| 小部数 (10〜100部程度) | 安い | 高い | オンデマンド印刷 (版を作らないため小回りが利く) |
| 大部数 (1,000部以上〜) | 高い | 安い | オフセット印刷 (高品質で大量印刷に向く) |
予算と必要部数に応じて、最適な印刷方式(オンデマンドかオフセットか)を印刷会社に相談してみましょう。
定型サイズを活用する
A4やB5といった「規格サイズ」は、印刷機の効率が最も良くなるためコストが抑えられます。
あえて変形サイズにしないことで、用紙の無駄(余白の廃棄)を減らし、エコかつリーズナブルに作成することが可能です。
トラブルを回避する!納品後のフォローアップと振り返り
印刷物が無事に手元に届いたら、プロジェクトは終わり…ではありません!
次回さらに良い印刷物を作るための「振り返り」が大切です。
納品されたらすぐに「検品」を行う
印刷物が届いたら、段ボールを開けてすぐに状態を確認しましょう。文字化けや画像の粗さはないか色はイメージ通りに出ているか折れや汚れ、製本の不良はないか確認します。
万が一不備があった場合、時間が経ってからでは原因の特定(配送時のトラブルなのか、印刷時のトラブルなのか)が難しくなります。
案件ごとの振り返りとナレッジ共有
作成した印刷物が活用されたら、チーム内で「今回の良かった点」「次回への改善点」を洗い出します。
「思ったより文字が小さくて読みづらかったから、次はフォントサイズを上げよう」「この紙は指紋が目立ちやすいから、次回はマット系の紙に変えよう」といった現場の気づきをメモに残しておくだけで、次回のクオリティは格段にアップします。
印刷会社へのフィードバックも、次回より良い提案を引き出すためにおすすめです。
まとめ|印刷発注成功の秘訣
印刷発注を成功させる鍵は、「目的の明確化」「余裕のあるスケジュール」、そして「印刷会社との綿密なコミュニケーション」です。
印刷会社は、単にデータを紙に刷るだけでなく、お客様の「伝えたい想い」を形にするパートナーです。
「データの作り方が不安」「どの紙を選べばいいか迷う」というときは、ぜひお気軽にプロのノウハウを頼ってくださいね。
事前のしっかりとした準備で、理想通りの素晴らしい印刷物を作り上げましょう!
東洋美術印刷では、お客様のご要望に応じた最適な印刷・デザインのご提案を行っています。
印刷発注に関するお悩みやご相談があれば、いつでもお問い合わせください。




