実はもうすぐ施行される「カーボンプライシング」って知ってますか?

実はもうすぐ施行される「カーボンプライシング」って知ってますか?SDGs

日本政府が2021年より導入に向けて動き始めている「カーボンプライシング」、知らない人も少なくないのではないでしょうか。

このカーボンプライシングは脱炭素化の施策の一環なのですが、本格的に実施されたら私たちの暮らしにどのような変化があるのでしょうか。

そもそもカーボンプライシングとは何なのかから今回の記事で説明いたします。

カーボンプライシングは「脱炭素化のためのお金の制度」

カーボンプライシングとは、二酸化炭素などの温室効果ガスを発生させた量に応じて企業や個人からお金を徴収することで、化石燃料の消費量を減らして脱炭素化を推進させる動きのことです。

カーボンプライシングを実施する方法として、主なものに「炭素税」と「カーボンオフセット」の2つがあります。

炭素税とは二酸化炭素を排出する石油や石炭などの化石燃料の使用量に応じて課せられる税金で、環境保護のために徴収する税金である「環境税」の1つです。

炭素税は環境意識の高いヨーロッパ諸国でいち早く取り入れられており、ポーランドとフィンランドは1990年から現在にいたるまで30年以上も炭素税が施行されています。

一方、カーボンオフセットは二酸化炭素の排出量に応じた量のクレジット(排出権)を購入して、その代金を森林保護やクリーンエネルギー導入などの活動支援に充てる制度です。

炭素税と違いカーボンオフセットは民間の団体・企業が主催しており、弊社も一般社団法人 日本WPAのもとカーボンオフセットを行っています。

日本政府は2012年から炭素税によるカーボンプライシングを進めており、同年10月からすでに二酸化炭素の排出量に応じて企業に課せられる「地球温暖化対策税」が導入されています。[注1]

つまりカーボンプライシングの中でも政府や行政が主体で行うのが「炭素税」、民間企業や団体が主体で行うのが「カーボンオフセット」という風に分けられます。

カーボンプライシングを取り入れる背景

2021年時点では日本や欧米などの先進国を中心に、世界の125ヶ国と1地域が2050年までのカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量が実質的にゼロになった状態)実現を目指しており、中国も2060年までのカーボンニュートラル達成を計画しています。[注2]

これらの目標が達成できれば、世界中で排出されている温室効果ガスの半分以上を削減できるため、地球温暖化を食い止める大きな効果を果たすといわれています。

現在、日本の「地球温暖化対策税」は欧米諸国が制定している炭素税に比べて低めだと言えます。

温室効果ガス1トンあたりにかかる税金
日本289円
ポーランド0.07ユーロ(約10.11円)
イギリス21.23ユーロ(約3,066.69円)
フランス45.00ユーロ(約6,498.20円)
スイス85.76ユーロ(約12,384.13円)
スウェーデン116.33ユーロ(約16,798.58円)

※ 為替レートは2022年11月21日時点の情報です。[注3]

カーボンニュートラルの達成期限である2050年まで30年もない現在、欧米諸国に後れを取らないよう脱炭素化を進めるために、日本政府は地球温暖化対策税を導入しようとしているのです。

カーボンプライシングによる問題点

炭素税導入による一番の大きな問題は、大量にエネルギーを消費する鉄鋼・造船・石油化学などの産業への財政的な負担が高まり、工業全体の利益低迷や経営難を引き起こし結果経済全体の衰退や国際競争力の低下につながるリスクがあることです。

また、炭素税は企業だけでなく個人からも徴収されるため、自動車や農機、漁船を利用する地方の住民への負担が大きく増えてしまいます。

その影響で地方の人口流出や産業の空洞化が起こる可能性も少なくありません。

このような問題点から環境省などと経済産業省・民間企業などとの間で脱炭素化の導入について意見がぶつかり合うことも少なくなく、欧米に比べて政府や行政主導での脱炭素化の取り組みがなかなか進まないのが現状です。

しかし日本よりも炭素税の高いスウェーデンなどの国は脱炭素化と安定した経済成長の両方を成功させていて徴収した税金を社会保障などに充てて国民に循環しているため、スウェーデンなどの社会システムがカーボンプライシングの成功例として将来、日本でも何か参考にできるかもしれません。

実際、あらゆる企業が日本でも環境への負担を減らした技術を開発しており今後地球に優しい新たな産業を生み出すことによる経済成長や雇用の創出などを目指しています。

まとめ

印刷を通してCO2削減を目指すなら「カーボンオフセット」が効果的!

現在、日本は欧米よりもサステナビリティの向上した国となるよう、あらゆるところで脱炭素化やエコに基づいた取り組みがなされています。

その一つが温室効果ガスの排出量に応じて企業や個人から徴収する「地球温暖化対策税」です。

また民間でも二酸化炭素の排出権を購入して森林保護などの支援にあてる「カーボンオフセット」をおこなう企業が増えており、温室効果ガスの排出量削減につとめています。

弊社・東洋美術印刷も印刷会社として印刷工場などで出た二酸化炭素の分、カーボンオフセットをおこなうことで実質的な温室効果ガスの排出量ゼロを目指しています。

国を挙げてカーボンニュートラルな社会を目指している現在、手順マニュアルや製品カタログなど紙媒体のものはカーボンオフセットを活用してみるのもいいですよ。

関連リンク

[注1] 環境省│地球温暖化対策のための税の導入
[注2] 資源エネルギー庁│諸外国における脱炭素化の動向
[注3] Tax Foundation “Carbon Taxes in Europe”

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