エネルギーの新時代!脱炭素化に向けた再エネ・蓄電池の取り組み

エネルギーの新時代!脱炭素化に向けた再エネ・蓄電池の取り組みSDGs

2022年ヨーロッパではロシアからのガス燃料の供給が停止している状態が続いており、現地ではより脱炭素化の必要性が認識される一年となりました。

日本でも「カーボンニュートラル」の実現に向けて何らかの活動を行っている企業は多く、弊社も「カーボンオフセット」という制度を利用して植林活動など温室効果ガス削減に向けた事業を支援しています。

実は近年、国内では環境に優しい再生可能エネルギーに関するユニークな取り組みが数多く見られています。

そこで今回は脱炭素化に向けた再エネの取り組みについて紹介いたします。

余ったうどんを捨てずに発電に再利用!

うどんの本場、香川県にあるメーカー「ちよだ製作所」では2012年から余ってしまったうどんをエネルギー源として「再利用」するプロジェクトが行われています。

事の発端は2009年、同社がバイオマス事業に新規参入しだした頃に香川県から「廃棄されるうどんを何かエネルギーの再生に活かせないか」と相談されたことです。

その2年後にはうどん麺からバイオエタノールを生産するプラントを開発、翌年の2012年には現在同社にあるプラントが完成しました。

香川県では工場や飲食店から時間の経過したものや規格外のもの、生地の切れ端など毎年1,000トン以上のうどんが廃棄されています。

この廃棄されたうどんを細かく裁断して水を加えて発酵することで、メタンガスを発生させて発電用の燃料にしていきます。

メタンガスは石油燃料よりも温室効果ガスの排出量をおさえられるクリーンなエネルギー源、このプラントでは一日2トンほどの廃棄うどんから1日で400kWほどの電力(一般家庭30~40世帯分が使用する量に相当)を生み出しています。

発酵させた後の残滓は肥料として加工されて、米や小麦の栽培に活用されています。

うどんを使って新たなうどんの原料となる小麦を育てる点から、この一連のプロジェクトは「うどんまるごと循環プロジェクト」と呼ばれています。

このプロジェクトは2012年以降、地元メディアにも数多く特集されており2017年には環境大臣からの表彰もいただいています。

現在では、豚骨ラーメンのスープからディーゼル燃料を精製する試みなど他の廃棄食品でもエネルギー生成の動きがみられていて、日本国内で日々大量に出る廃棄食品の有効的な活用法になるかもしれませんね。[注1]

日本一の「水素スマートシティ」を目指すまち

兵庫県神戸市は、水素のエネルギーへの活用を積極的に推し進めているまちです。

2017年12月、神戸港の人工島・ポートアイランドに発電用のプラントが作られ、水素で問題なく発電できるか実証実験が行われました。

2018年4月には世界で初めて水素だけで作った電気を市街地に供給する試みが行われ、現地の4つの施設の電力を安定供給できることが確認されています。

ほかにも水素による発電で削減できた温室効果ガスの排出量を他社に売却する「カーボンオフセット」のような仕組みも取り入れています。

水素はオーストラリアにて生成されたものを液化させて輸入するのですが、水素を液化して運ぶ試みも今回が世界初の事例です。

これだけでも神戸市が水素の活用に力を入れていることがすごくわかりますね。

水素は従来の化石燃料よりも温室効果ガスの排出量を大きく減らせるため、自動車の燃料としても活用されています。

そんな水素は「未来のエネルギー」とも呼ばれており、水素電池市場は年々規模が拡大し続けていて、2030年には1兆円を超すのではないかともいわれています。

2030年の本格的な水素発電の稼働開始に向けて、現在日本全国の多くの自治体で神戸市のように再生可能エネルギーを取り入れたスマートシティ構想を掲げています。[注2]

再エネや蓄電池の使用状況を簡単にシミュレート!

新幹線や高速道路で移動すると、田畑に混じって太陽光パネルが設置されているのをよく見かけます。

今や建物への太陽光パネルの取り付けが奨励されている自治体もある一方、「工費が高くついた割にそれほど電気代が下がらなかったら損しそう」「天候が変わりやすい地域に住んでるから設置してもどれぐらい発電できるか不安」といった意見もあると思います。

そのような時に役立つ、太陽光パネルでどれだけ電力をまかなえるかシミュレートできるシステム「エネがえる」が2015年にリリースされています。

エネがえるは契約している電力プラン、平均使用量や電気料金を埋めていくだけですぐに再エネ導入後の電気料金をシミュレートして比較してくれます。

北海道から沖縄まで全国の電力会社や電力プランを選べるほか、契約対象も住宅や飲食店など11の業種・45のパターンでシミュレートできるので利便性も高いです。

またエネがえるでは家庭用蓄電池のシミュレート機能もあり、こちらも国内で流通している家庭用蓄電池の銘柄約98%に対応しています。

家庭用蓄電池と言うと、災害時に停電となった場合でも長時間電気を供給する目的をイメージするかもしれませんが、電気料金が高くなりそうな時に蓄電池からの電力を供給することで節約につながるといわれています。[注3]

再生可能エネルギーで地域を盛り上げるお手伝い

再生可能エネルギーには電気を生産している地域を活性化させる役割も期待されています。

従来のようにただ地方の発電所で作った電気を都市部に供給するのではなく地元へ優先的に供給して余剰分を都市部へと「輸出」する、そんな試みを行っている企業があります。

「e.CYCLE(いいサイクル)」は再生可能エネルギーの”地産地消”を中心に地域活性化の支援を行っているサービスです。

再エネで生み出された電気を一度e.CYCLEが発電所から購入して現地の住宅や商店などに優先的に配電するほか、余剰分を電力会社に売却して地域活性化に活用することで地域に根差した再生可能エネルギーの発展を目指しています。

e.CYCLEでは太陽光や風力やバイオマス発電など様々な種類の再生可能エネルギーに対応しており、現在福島県や横浜市でe.CYCLEによる電気の地産地消モデルの活用が進められています。[注4]

まとめ

ユニークな再エネの取り組みはまだまだある…

日本は世界でも有数のリサイクル大国。再生可能エネルギーに関しても、珍しい取り組みで再エネの普及を推し進めている企業や自治体は少なくありません。

近年話題になっている脱炭素化、個人や会社で何か手伝えることがないかなと感じたらまずは再生可能エネルギーについて調べてみるのがおすすめです。

サステナビリティ向上に役立ちそうなユニークな取り組みも見つかるはずです。

関連リンク

[注1] うどんまるごと循環プロジェクト
[注2] 水素スマートシティ神戸構想
[注3] 
太陽光・蓄電池シミュレーションの決定版「エネがえる」
[注4] e.CYCLE(いいサイクル)│まち未来製作所 コーポレートサイト

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カーボンオフセットの仕組みについてSDGsの観点から解説します。
 
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