「水なし印刷」で地球にやさしいエコな印刷を

「水なし印刷」で地球にやさしいエコな印刷をSDGs

「サステナビリティ社会にふさわしい印刷技法」

サステナビリティに取り組む企業が多い昨今、印刷業界でも環境への影響を考慮した新たな技術が開発されてきました。

特に「水なし印刷」は印刷作業で出る有害物質の発生を抑えた自然にやさしい印刷技法です。

水なし印刷は1960年代にアメリカで開発された印刷技術で、1993年に同国で水なし印刷協会が発足されたのをきっかけに徐々に普及していきました。

日本でも水なし印刷の普及を通じて環境保全・産業発展を目指す一般社団法人 日本水なし印刷協会が発足しており、多くの印刷会社が会員となっています。

「水なし印刷」の特徴

「水なし印刷」の水とは印刷の作業で使われている現像液や湿し水のことを指しており、水なし印刷はこれらの液体を使用しない印刷方法です。

印刷の作業から出る現像液や湿し水の廃液は人体や自然にとって有害で、水なし印刷は環境への悪い影響を大幅に減らせます。

通常の水あり印刷では、製版を現像する際に非画線部(版面のインキを載せない部分)を区別して表示させるために現像液が使われています。

湿し水は油性のインキに反発する特性を持っており、現像した後にインキが付着しないように版の非画線部へ塗布されます。

表面張力を低くさせて版面の隅々まできっちり塗布できるようにするためといった理由から、湿し水には数多くの添加物が含まれています。

この湿し水のパフォーマンスはpHのわずかな差で変わってくるため、従来の水あり印刷では湿し水のコントロールが印刷の仕上がりを左右する重要な要素となっていました。

一方、水なし印刷では湿し水のかわりにシリコーンゴムが非画線部に塗布されます。

従来の印刷方法では湿し水の塗られていない部分にインキが凸型に盛られますが、水なし印刷ではシリコーンゴムの無いへこんだ部分にインキが凹型に注がれます。

また水なし印刷では版の現像でも現像液を使用せず、水道水を使った水現像という方法が用いられます。

水現像では版面に紫外線を当ててから水をかけることで、非画線部の樹脂だけが水に溶けて流されて浮き出るようになっています。

このように製版や刷版のやり方が異なるため、水なし印刷では特別に水なし平版が使用されています。

 

「水なし印刷」の強み

① 有害なVOCなどの発生を抑えられる

現像液と湿し水にはキシレンやIPA(イソプロピルアルコール)などのVOC(揮発性有機化合物)が添加されており、廃液として外部に処理されることで人体や環境に影響を及ぼす危険性があります。

特に大気中に蒸発することで、VOCは光化学オキシダントやPM2.5を引き起こすだけでなく、がんの誘発リスクなど深刻な被害をもたらします。

VOC以外にも印刷作業から出た廃液には、富栄養化により河川や海洋の生態系を悪化させてしまうリン酸などの有害な物質が含まれています。

水なし印刷ならVOCなど有害な物質の発生や影響を大幅におさえられて、自然環境にやさしい印刷発注が実現できます。

さらにVOCは大気中に放出されると、その一部がCO2へと変わることから、水なし印刷はCO2の発生を間接的におさえて脱炭素化にも貢献できます。

水なし印刷の仕組み

 

② にじまずくっきりした仕上がりになりやすい

湿し水は使う用量などによっては、印刷した時にインキのにじみやズレが起こってしまいます。

版面に乗っかったインキは、一度ブランケットと呼ばれるゴム製の部品を介して間接的に紙へと転写されます。

そのため余分な湿し水がブランケットに転移してしまうと、紙に付着してしまい、にじみなどの汚れを引き起こすことがあります。

また湿し水を吸ってしまうことで紙が横に伸びてしまい、各版を印刷する位置にずれが生じてしまう原因(ファンアウト)となってしまいます。

水なし印刷なら湿し水を使わないため、にじみやファンアウトを引き起こすこともなく下図のように細かい線までぼやけずはっきり再現することができます。

水なし印刷と普通の印刷での仕上がりの比較

 

③ 環境に配慮した印刷物の証明となる

水なし印刷により製造された印刷物には、一般社団法人 日本水なし印刷協会から下図のバタフライロゴの表示が認められます。

カーボンオフセットと組み合わせれば印刷物のCO2排出量が記載できて、環境にやさしい方法で印刷されたことの証明となります。

また水なし印刷は、国が定めるグリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)の『印刷工程の配慮項目』に指定されています。

グリーン購入法は環境・社会に対するサステナビリティに取り組む企業の商品やサービスの消費を促進する目的で制定されたものです。

各省庁や自治体が民間に印刷を受注する際は、グリーン購入法の基準を満たす企業や製品を選ぶよう義務付けられています。

印刷発注の際に水なし印刷を積極的に選べば、サステナビリティを強く意識している企業としてESG投資の促進などにつなげられます。

 

「水なし印刷」で実現できるこんなこと

「印刷物を通じて環境配慮の姿勢をアピールしたい」

環境にやさしい印刷物の証であるバタフライマークは、大手私鉄会社や大手ショッピングモールチェーンなど有名企業でも多く採用されています。

水なし印刷を用いてクリーンな方法で冊子や書籍の印刷を発注したことやカーボンオフセットをおこなったことがバタフライマークによりアピールできれば、環境に配慮したサステナビリティを重視した企業というイメージへとつなげられます。

バタフライマーク

 

「図柄のズレを起こさず正確に印刷したい」

湿し水で濡れたことによる紙の伸び縮みがないため、水なし印刷はフルカラーでも色の印刷ズレが発生しにくいのが特徴です。

濡れた時に紙が伸縮しやすい薄い用紙に印刷するもの(約款など)ほど、水なし印刷に適しているといえます。

また印刷時の失敗が少なくなり無駄に廃棄される紙が減らせることで、ゴミ処理の点から見ても環境への負担を減らせます。

 

「水なし印刷」は環境面にも品質面にもメリットがある

水なし印刷は、従来の印刷で使われている現像液や湿し水を使わないことで、自然や人体に有害な廃液が出ないようにした環境にやさしい印刷技法です。

特に廃液に含まれるVOCは大気中に蒸発して化学変化を起こすことで、PM2.5の原因となるだけでなくCO2の発生源にもなってしまうため、VOCをださない水なし印刷は近年注目されている脱炭素化の観点からもふさわしいといえます。

また湿し水が紙面に付着することで起こる印刷のにじみや紙のしわや伸びを防げるので、水なし印刷はより仕上がりがくっきり出やすいのも特徴です。

弊社・東洋美術印刷は日本水なし印刷協会の会員として、環境に配慮した水なし印刷のソリューションを提供しています。

水なし印刷について、さらに詳しくは本社サイトの関連サービスをご覧ください。

 

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