販促とプロモーションは、実は異なるマーケティング活動です。
販促は文字通り、商品やサービスの販売促進を目指す活動を指します。
一方、プロモーションは顧客とのコミュニケーションを重点に置いた活動です。
広告や宣伝、キャンペーンなどの手段を通じ、顧客とより良い関係を築くことがプロモーションのポイントです。
この記事では、販促とプロモーションの違いについて、具体例を挙げながら解説します。
販促とプロモーションの違い
販促は英語で「セールスプロモーション（Sales promotion）」と呼ばれます。
そのため、販促という言葉をプロモーションと混同し、同じ文脈で使っている人もいます。
販促とプロモーションはいくつか共通点もありますが、異なる役割を持ったマーケティング活動です。
販促とプロモーションの違いをわかりやすく解説します。
販促は顧客の購買行動を刺激する活動
販促（販売促進）は、顧客の購買行動を促し、商品やサービスの売上を伸ばすための活動を意味します。
販促の狙いは3つあります。
- 商品やサービスの認知度を高める
- 商品やサービスの魅力を宣伝し、購買意欲を刺激する
- キャンペーンなどを実施し、店舗（ECサイト）に集客する
つまり、販促をおこなう目的は、顧客が商品やサービスを購入するきっかけを生み出すことにあります。
近年は、商品サンプルや金券の配布といったオフラインの販促だけでなく、SNSやWeb広告を活用したオンラインの販促をおこなう事例が増えています。
プロモーションは顧客との接点（タッチポイント）を形成する活動
プロモーションも販促と同様に、顧客が商品やサービスを購入するきっかけを作るマーケティング活動です。
しかし、顧客の購買意欲を刺激するのが目的である販促に対し、プロモーションは顧客とのコミュニケーションに重点を置いています。
そのため、プロモーション戦略のことを「コミュニケーション戦略」と呼ぶ場合があります。プロモーションの手段は大きく分けて4つあります。
| 具体例 | |
| 広告 |
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| 販売促進 |
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| 人的販売 |
|
| 広報（PR） |
|
狭義の販促は、プロモーションの手段の一つでもあります。
プロモーション戦略では、広告・販売促進・人的販売・広報（PR）の4つのコミュニケーション手段を組み合わせ、顧客と好意的な関係を築くことを目指します。
この手法を「コミュニケーションミックス」と呼びます。
販促の具体例
販促の役割を詳しく知るため、具体例を2つ紹介します。
デジタルギフトの配布
販促の手法の一つとして、顧客に謝礼やインセンティブを配布し、行動を促すというものがあります。
スマホやインターネットが広く普及した今、オンラインで景品を配布できる「デジタルギフト」を使った販促が盛んにおこなわれています。
たとえば、「資料請求やアンケート回答などの行動の対価として、少額のデジタルギフトを配布する」といったキャンペーンが挙げられます。
SNSを利用した販促
若年層を中心にSNSで情報収集をおこなうユーザーが増えているため、SNSを利用した販促も効果的です。
たとえば、Instagramを利用した例が挙げられます。
Instagramには、タグや検索キーワードで露出を増やす機能や、ECサイトへの誘導を促すショッピング機能が用意されているため、高い販促効果が期待できます。
プロモーションの具体例
プロモーションは民間企業だけでなく、国や地方自治体もおこなっている手法です。
プロモーションの成功事例として、佐賀県の「サガプライズ！」が挙げられます。
「サガプライズ！」は、漫画やアニメなどの人気コンテンツとのコラボレーションを通じ、若い世代をメインターゲットとして佐賀県の魅力を発信する取り組みです。
たとえば、2015年には人気ゲームの大会を開催し、佐賀県の名産とコラボしたグッズの販売などをおこなっています。
このようにコラボレーションやグッズの販売など複数のコミュニケーション手段を組み合わせ、顧客との関係を構築するのがプロモーションの目的です。 [注1]
まとめ
販促とプロモーションの違いや役割を知ろう
販促とプロモーションは、それぞれ異なる狙いを持ったマーケティング活動です。
販促（販売提携）は、商品やサービスの購買行動を促すための活動を指します。
また、販促はプロモーションの手段の一つでもあります。
プロモーションの狙いは、顧客とのコミュニケーションを通じて、商品やサービスを魅力的にとらえてもらうことです。
販促もプロモーションも商品やサービスを購入する「きっかけ」を作る活動ですが、プロモーションはよりコミュニケーションに重きを置いています。
販促とプロモーションの違いや役割を確認しておきましょう。
関連リンク
[注1] サガプライズ！「コラボレーションで、佐賀の魅力を全国へ」
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