今、文章、画像、楽曲とあらゆるものがAIで自動生成できる時代になりました。中でも「ChatGPT」はチャット形式で簡単に本格的な文章が生成できることからリリースからあっという間に利用者が増えました。
すでにコカ・コーラやGMといった世界的な大企業も次々とChatGPTを導入していますが、ビジネスで用いるためには回答の正確性をはじめまだ不安要素に感じることも多いです。
そこで今回はそもそもChatGPTがどのようなものなのか、ビジネス上での使い道や導入のメリット・デメリットについて本記事でざっくりとまとめました。
ChatGPTについてまずはおさらい
ChatGPTは2022年11月に公開された人工知能（AI）を活用したチャットボットです。
最大の特徴は過去のユーザーとのやり取りの内容を記憶できる点で、その履歴を参照しながら個人の質問に適切な返答を自動で生成してくれます。
例えば「ChatGPTの技術をビジネスに活用するには？」とChatGPTに質問したら、以下の回答が返ってきました。
ChatGPTの技術は、プロセスの自動化、顧客エンゲージメントの向上、効率化を支援します。この技術を活用することで、企業は競争力を高め、時代の最先端を行くことができます。
ChatGPTはこちらが入力した語句や条件から、歌詞や小説さらにはプログラムコードまであらゆるテキストを生成できます。
現に大手通販サイトではChatGPTなどのAI技術を用いて執筆された著書が数百冊も販売されています。
幅広くあらゆることができることから、ChatGPTはビジネスでも様々なシチュエーションで役立てられそうですね。
ChatGPTのビジネスへの役立たせ方
① カスタマーサービスの自動化
ChatGPTならば予約の申し込みや問い合わせでWEBサイトにアクセスしてきた方への対応を自動化できます。
すでに問い合わせ用のチャットボット機能が導入されているWEBサイトは多いものの、事前に設定したテンプレートに沿って答える仕組みで柔軟な対応は苦手でした。
ChatGPTなら自らデータを学習して返答を生成してくれるため、ユーザーの質問や要望により自然に対応しやすくなっています。
米国を代表する自動車ブランド・GMではChatGPTシステムを応用させて、ユーザーが設定した目的地に対しリアルタイムの交通状況や天候情報をもとに最適なルートを調べて返してくれるAIナビゲーションの開発も進められています。[注1]
② 短時間でのマーケティング分析
ChatGPTはこちらが入力したことをもとに瞬時にネット上の情報を調査して関連性の強い内容を返してくれます。
この能力を生かして顧客の評価、SNSの投稿、WEBサイトのトラフィックなどのビッグデータを分析すれば、新規顧客獲得や顧客満足度向上のための戦略にも役立ちます。
またターゲットとなるリードの属性や行動を読み取らせることで、よりリードが注目しやすい内容でマーケティングツールを生成することもできます。
国内でもChatGPT技術を取り入れたマーケティング用のプラットフォームが公開されており、WEBメディアのマーケティング効果を上げるための改善案を生成してくれます。
③ メディアコンテンツの生成
インターネットが普及しきった今、WEBでの情報配信は企業やその製品をより多くの人に知ってもらうためには必要不可欠です。しかしまとまった量の文章を作成してオウンドメディアとして定期的に掲載するには、それなりの労力や時間が必要です。
ChatGPTを使えば、オウンドメディアに掲載する文章の素案を短時間で用意してくれます。
現在ChatGPTを使ったブログ記事の書き方に関する電子書籍も多数販売されており、WEBメディアにおいてChatGPTなどのAI技術はますます重要なものとなる可能性が高いです。
④ 日々行っている業務の自動化
顧客対応や市場調査だけでなく日常的な業務にも、ChatGPTは取り入れられます。
議事録や報告書の作成、電子メールの運用、複雑なスケジュールの管理などをChatGPTで自動化することで、事務処理に費やしていた労力や時間を省けられます。さらにGoogle ChromeやYoutubeなどでChatGPTを取り入れた拡張機能が利用できるようになっており、ますますChatGPTでできることの範囲は広がっています。
例えばGoogle Chromeの拡張機能では検索結果に表示されたページの内容をChatGPTで要約してくれるため、より効率よく情報収集できるようになります。
ChatGPTを導入するメリット
① 膨大なデータを瞬時に集められる
ChatGPTの強みは何といってもデータ収集の速さです。
会話文での問いかけを理解することで、ユーザーが求めていることは何かより正確に把握できるようになり、検索結果にはない情報も含めて無数にある情報の中から、適合するものを素早く抽出してくれます。
② プログラムの知見がなくても操作しやすい
AIの活用はJavaScriptやPythonといったプログラミング言語が分からない人には難しいという印象があるかもしれません。
しかしChatGPTは私たちが日常生活で使ういわゆる自然言語に対応しているため、SNSで誰かと会話する感覚で操作できます。
③ 24時間365日フルで稼働できる
オフィスや店舗が休みのときでも、ChatGPT機能が動いていれば24時間365日いつでも担当者に代わって自動で問い合わせに対応してくれます。
また大量に問い合わせが来てもChatGPTなら素早く対応できるため、待ち時間に関するクレームを少なくできます。
ChatGPTを導入するときの注意点
① 誤った情報や偏った表現が混入することがある
ChatGPTはまだフェイクの情報や思想的に偏った表現、差別的な表現などを完全に見破ることができないため、生成された文章の中に気付かないうちに入ってしまうことがあります。
そのため生成した文章は、一度端から端までしっかり目を通して確認する必要があります。
② データを収集するプロセスが分かりにくい
ChatGPTはユーザーの問いかけに関連する情報を集めてまとめた後に要約文を生成するまでのプロセスを全て自動で行います。
そのためどこからどうやって情報を集めたのかが分かりにくく、情報の出所を把握してデータの正確性を持たせるのが難しいといえます。
まとめ
マーケティングや日常業務とChatGPTはあらゆる使い道がある
よくSNSなどで目にするChatGPTですが、知りたい情報を素早くまとめるほかにも使い道はまだまだあります。
特に複雑なデータ分析に強いのはマーケティングを担当している身としては、業務の効率化にかなり力を発揮してくれるのではと個人的にも期待しています。
誰でも簡単に扱える上さまざまなことができる一方で生成した文章の情報が正しいか確認することも必要なので、ChatGPTが便利だからといって全ての業務を任せきりにしない心構えも大切です。
