カタログ制作のキホン(前編)

カタログ制作のキホン(前編)プロモーション

カタログは自社の商品・サービスを宣伝・アピールするのに有効なツールの一つです。

カタログを通じて商品・サービスの購買や利用を決める方も多いため、いかに魅力的なカタログに仕上げるかが、企業の売上や業績に大きく影響します。

今回はそんなカタログ制作の基本として、カタログの主な種類と、カタログを制作する際のデザインのポイントについて解説します。

カタログの主な種類

カタログにはさまざまな種類があり、そのジャンルは大きく分けて4つあります。

それぞれ特徴が異なるので、カタログを制作する際は、まず自社に必要なカタログがどのジャンルに該当するのかチェックしておきましょう。

商品カタログ、サービスカタログ

商品カタログまたはサービスカタログとは、特定の商品やサービスの情報を網羅したカタログのことです。

例えば家電メーカーの場合、同じ冷蔵庫でも複数のシリーズやモデルを取り扱っており、それぞれ特徴に違いがあります。

そのシリーズ、モデルの商品についての情報を詳細に掲載したものなどが商品カタログに該当します。

商品カタログはさらに特定の一つの商品に特化したものと、シリーズをまとめたものの2種類があります。

前者は特定の商品のみを紹介しているぶん、細かな仕様なども詳しく掲載されています。

ページ数は少なく、表紙を含めて4~6枚程度で完結しているものが多いようです。

一方、シリーズをまとめたものは各々の商品の情報を掲載するとともに、同シリーズでも型番によって何が違うのかを比較している表などが掲載されているケースが多く見られます。

ページ数も単体の商品を紹介するものより多い傾向にあります。

総合カタログ

その企業が取り扱っている商品、サービスの情報を網羅しているカタログのことです。

前述した商品カタログ、サービスカタログが特定のカテゴリに特化したものであるのに対し、総合カタログはその企業、メーカーの情報を総合的に得られるところが特徴です。

総合カタログも全ての商品・サービスを網羅したものと、特定のカテゴリをまとめたものの2種類に分類されます。

前者はその企業が取り扱っている商品・サービスの全てが掲載されているもので、カテゴリやジャンル別に区分されているケースがほとんどです。

全商品・サービスを掲載しているため、カタログのボリュームは非常に多く、場合によっては数百ページに及ぶものもあります。

一方、特定のカテゴリをまとめたものはジャンル別に商品・サービスを掲載したものです。

例えば家電メーカーの場合、冷蔵庫の総合カタログ、電子レンジの総合カタログ、炊飯器の総合カタログなどがあります。

これらは「Aメーカーの冷蔵庫を購入したいけど、どんな製品があるか分からない」「同じAメーカーの冷蔵庫を比較検討したい」というニーズに対応したカタログとなります。

通販カタログ

通販カタログとは、通信販売している商品・サービスの情報を掲載したカタログのことです。

通販カタログにはその商品・サービスの情報や特徴とともに注文番号が記載されており、欲しい商品・サービスがあったら巻頭または巻末などに付いている注文書に当該注文番号を記載し、ポストに投函して注文する仕組みになっています。

近年は通販カタログとは別に発注用のWebページが用意されており、入力フォームに注文番号を記載してオンライン発注できる仕組みになっているケースが多数見られます。

昨今は後述するWebカタログの普及により、紙の通販カタログは数が少なくなっていますが、「スマートフォンやパソコンの画面ではなく冊子で商品を見たい」「インターネット環境がない」といった顧客からは根強い人気を誇っています。

Webカタログ

インターネット上で商品・サービスの情報を閲覧できるカタログのことです。

なかでも画面上で本物の冊子のようにページをめくったりできるものはデジタルカタログと呼ばれています。

ページの拡大や縮小を行えるため、文字が見づらい、商品のデザインが分かりにくいといった問題も生じにくいところが特徴です。

また、検索機能を特定のカテゴリやジャンルにジャンプできるため、分厚い総合カタログでも目当ての商品を見つけやすいという利点があります。

また、冊子と比べて保管場所を取らないこと、わざわざカタログ請求しなくてもすぐ閲覧できることなどが大きなメリットに挙げられます。

企業側にとっても、カタログの印刷コストを節約できるというメリットがあります。

カタログ制作におけるデザインのポイント

カタログはデザインやレイアウトの自由度が高いぶん、ポイントを押さえないとまとまりのないカタログになってしまう可能性があります。

「商品の特徴が分かりづらい」「情報が理解しにくい」といった不満を感じると、消費者はカタログに興味を失ってしまうので、基本的なデザインのコツをしっかりつかんでおくことが大切です。ここではカタログ制作におけるデザインのコツ、ポイントを3つご紹介します。

1. ターゲットやコンセプトに合った配色を心掛ける

カタログは基本的に全ページフルカラーとなるため、配色にも気を遣う必要があります。

カタログの配色は、そのページで最も大きな面積を占めるベースカラー(70%)、そのページのテーマとなるメインカラー(25%)、特に強調したいアクセントカラー(5%)が黄金比とされています。

例えば、高齢者をメインターゲットにする場合は、ブルーやネイビー、グリーンなど落ち着いた色合いを基調にすると好ましい印象を抱かれやすくなります。

一方、イエローやオレンジといったビタミンカラーや、赤、ピンクなどビビットなカラーを上手に採り入れると華やかな印象になり、若年層に親しまれるデザインになります。

配色はメインターゲットに合わせるだけでなく、その商品のイメージカラーやコンセプトなどを基に選ぶことも大切です。

2. 余白を怖れない

カタログ1ページあたりの面積は決まっているので、掲載できる情報量には上限があります。

だからと言って、商品やサービスの情報をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと窮屈な印象を与えてしまい、「見にくい」「読むのが大変そう」と離脱されてしまう可能性があります。

適度なスペースがあった方が目にも優しく、かつ重要なポイントを強調しやすくなるので、余白を怖れずうまく活用するようにしましょう。

3. 視線の動きに合わせてデザインする

人が紙面や画面を見るときの目の動きは、大きく分けてZ型、F型、N型の3パターンがあります。

横書きテキストと画像が混同したカタログの場合、上段左から右へ移動し、そこから下段左下に移動し、右へと動くZ型が多いと言われています。

このタイプでは、始点の左上と、終点の右下で視線が止まるので、それぞれに重要な情報を配置するのがおすすめとされています。

なお、テキストメインの場合はF型、テキストが縦型の場合はN型と、視線の動き方のパターンが変化します。

人の視線の動きにも配慮しながら、テキストや画像のレイアウトを決めるのがコツです。

まとめ

魅力的なカタログをデザインして商品・サービスをアピールしよう

カタログは自社の製品・サービスの情報を消費者に知ってもらい、アピールできる有効な媒体の一つです。

カタログには商品カタログ、総合カタログ、通販カタログ、Webカタログなどさまざまな種類がありますが、デザインのコツはほぼ共通しており、ターゲットやコンセプトに適した配色にすること、余白を上手に使うこと、読み手の視線の動きを意識することなどが大切です。

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