「複雑な製品の良さを、もっと直感的に伝えたい」
「Webサイトや展示会で使えるPR動画を作りたいが、外注するほどの予算がない…」
このような課題を抱える、営業推進・マーケティング担当者様は多いのではないでしょうか。
製品の技術力や優位性をテキストや画像だけでまとめた資料でお客様に伝えることの難しさを、日々痛感されていることでしょう。
そのようなお悩みは「製品・サービス紹介動画制作の内製化」で解決できるかもしれません。
動画制作には専門的なソフトやスキルが必要だから、社内で作成するのは無理と諦めていませんか?
実は今、AIの力で誰もが簡単に動画を作れる時代になっています。
この記事では、Googleが提供する最新のAI動画生成ツール「Google Vids」を活用し、スマホで撮影した動画素材などを組み合わせて本格的な製品紹介動画を自社制作(内製化)する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
動画マーケティングの第一歩を踏み出したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
製品紹介動画が今注目される理由とBtoBでの活用メリット
BtoCの領域では当たり前の動画マーケティングですが、BtoBの領域でも取り組むことをおすすめします。特に、BtoBの製造業では、動画制作に取り組むことで成果が得られやすいでしょう。
以下に、製品紹介動画制作をするメリットをご紹介します。
複雑な構造や動きを「見える化」できる
図面や写真だけでは伝わらない機械の構造や、製品が実際に稼働する様子を映像で見せることで、顧客は製品の特長や導入メリットを瞬時に、そして直感的に理解できます。
営業活動の効率化と標準化
動画があれば、営業担当者のスキルに頼らず、誰でも一定レベルの製品説明が可能になります。
商談の冒頭で動画を見せれば、顧客の理解度を一気に高め、より深い質疑応答やヒアリングに時間を割くことができます。
Webサイトや展示会での訴求力向上
Webサイトに動画を掲載すれば、営業人員不要で製品理解が深まります。
また、展示会のブースで動画を流せば、アイキャッチ効果で来場者の足を止め、興味を引くきっかけになります。
Google Vidsとは?AIで簡単に動画制作する話題のツール
「Google Vids」は、Google Workspaceファミリーに加わった、ビジネス向けのAI動画制作ツールです。
プレゼン資料を作るような感覚で、誰でも簡単にクオリティの高い動画を作成できるのが特長です。
今まで動画を作りたくても社用PCに動画編集用のアプリケーションをダウンロードできなかった方でも、Google VidsならWebブラウザ上で全ての操作が完結するため、専用アプリケーションのインストールは一切不要です。
また、Google Vidsは、GoogleドキュメントやGmailと同様に、世界最高水準のセキュリティを誇るGoogle Workspaceの基盤上で動作します。
Google Workspaceにおいては、ユーザーが作成したコンテンツ(動画、プロンプト等)の所有権は常にユーザーにあり、Googleは、ユーザーのデータで外部にある Gemini、Google 検索、その他のシステムの動作基盤となっている生成 AI や大規模言語モデルのトレーニングまたは改良を行うことはありません。と明記されています。
これにより、会社のセキュリティポリシーやIT部門への利用申請といったハードルを下げ、誰でも手軽に動画制作を始めることが可能になります。
※無償の個人アカウントではサービス改善や開発のために、データを利用することがあります。
Google Vidsの主な機能|AI生成・素材・共同編集まで
AIによる動画下書きの自動生成
簡単な指示文(プロンプト)だけで、AIが構成案やデザイン、ナレーション原稿まで含めた下書きを数分で作成します。
※記事執筆時点(2025年10月)では、Google VidsのAI関連機能は日本語に対応していません。Googleの言語設定を英語に変更することで、この機能は使えるようになります。
豊富なテンプレートと素材
ビジネスシーンに合わせた多彩なテンプレートや、高品質なストック動画・画像、BGMが用意されています。
また、素材がない場合でもAI生成によって動画や画像を簡単に追加することが可能です。
Google Driveとのシームレスな連携
Google Driveに保存している製品写真、ロゴ、プレゼン資料などを直接動画素材としてインポートして活用できます。
チームでの共同編集
Googleドキュメントやスプレッドシートのように、複数人で同時に一つの動画を編集できます。
専門知識がなくてもAIが動画制作の大部分をサポートしてくれるため、まさに動画制作の内製化を目指す企業にとって最適なツールの一つと言えるでしょう。
【ステップ解説】Google Vidsで製品紹介動画を作る方法
それでは、実際にGoogle Vidsを使って製品紹介動画を作る方法を見ていきましょう。
ステップ1:企画・構成案の作成
AIが優秀でも、動画の心臓部となる企画は人間が考える必要があります。
- 誰に (Target):この動画を誰に見せたいのか?
(例:工場の設備担当者、企業の開発部長) - どこで (Where): 作成した動画をどこで視聴してもらいたいのか?
(例:自社Webサイト、YouTube広告、展示会のブース、商談時のタブレット端末) - 何を (Message): 最も伝えたい製品の強みは何か?
(例:圧倒的な耐久性、メンテナンスの容易さ) - どうしてほしいか (Action): 動画を見た後に何をしてほしいのか?
(例:Webサイトから問い合わせてほしい、デモを依頼してほしい)
この4点を明確にし、動画全体のストーリーを考えましょう。
ステップ2:素材の準備
動画のクオリティを左右する重要な工程です。以下の素材を事前に用意し、Google Driveにまとめておきましょう。
- 動画素材:スマホで撮影した製品の動作シーン、工場や社員の様子など
- 画像素材:製品の外観写真(様々な角度から)、設計図やCADデータ
- その他:会社のロゴデータ、製品スペックをまとめたテキストやグラフ
ステップ3:AIで動画のドラフトを作成
記事執筆時点(2025年10月)では、Google VidsのAI関連機能は日本語に対応していません。
この機能を使用するためには、Googleアカウントから「個人情報」>「ウェブ向けの全般設定」>言語 から、優先言語をEnglish(英語)に変更してください。

Google Vidsを立ち上げ、「Start a new video」をクリックします。
「Storyboard」をクリックし、「プロンプト」入力欄に、ステップ1で考えた企画内容を元に、作りたい動画の指示を具体的に入力します。


AIがこの指示を解釈し、構成案、各シーンのデザイン、ナレーション原稿を含んだ動画の下書きを自動で生成してくれます。
ここでも英語での入力が必要ですが、プロンプト自体もchatGPTやGeminiに作成してもらうことが出来るので、英語が堪能ではない方でもチャレンジできます。
ステップ4:素材の差し替えとシーンの編集
AIが作った下書きを元に、オリジナルの動画に仕上げていきます。
- 素材の差し替え:AIが仮で配置したストック映像や画像を、ステップ2で用意した自社の動画・画像素材に差し替えます。
- シーンの編集:タイムライン上のシーンの順序を入れ替えたり、不要なシーンを削除したり、新しいシーンを追加したりします。直感的な操作で、ストーリーの流れを最適化できます。

ステップ5:テロップ、ナレーション、BGMの調整
- テロップ:AIが生成したテキストを、より伝わりやすい言葉に修正・追記します。
- ナレーション:AIが生成した音声ナレーションをそのまま使うことも、自分でマイクを使って録音し直すことも可能です。記事執筆時点(2025年10月)では、ナレーションのAI生成は英語にしか対応していません。
- BGM:動画の雰囲気に合わない場合は、他のBGM素材に変更します。

BGMや動画はStockから探すことができます。
ステップ6:プレビューと共有
最後に全体をプレビューで確認し、問題がなければ完成です。Google Drive経由で簡単に関係者へ共有し、フィードバックをもらうこともできます。

完成した動画は、「ファイル」からMP4形式で書き出すことが可能です。
自社制作の限界と、プロが作る動画との「成果」の違い
Google VidsのようなAI 動画生成ツールを使えば、確かに動画編集初心者でも一見それらしい動画は作れます。
しかし、それが「成果の出る動画」になるかは別の話です。
自社制作で陥りがちな課題
- 独りよがりな内容:製品の機能説明に終始し、顧客が知りたい「導入メリット」が伝わらない。
- 低い映像品質:手ブレや暗い映像、聞き取りづらい音声などが原因で、視聴者が途中で離脱してしまう。
- 構成の単調さ:視聴者を惹きつける工夫がなく、最後まで見てもらえない。
- 膨大な時間コスト:担当者が慣れない作業に時間を取られ、本来の業務を圧迫してしまう。
一方で、プロの制作会社は、単に綺麗な映像を作るだけではありません。
| 比較項目 | 内製(Google Vids等) | プロの制作会社への依頼 |
|---|---|---|
| 強み | コスト、スピード、手軽さ | 戦略性、品質、成果への貢献度 |
| 企画・構成 | 社内目線になりがち | 顧客視点での戦略的なシナリオ設計 |
| 撮影・品質 | 機材や環境に限界がある | 製品の魅力を最大化するプロの撮影技術 |
| 編集 | テンプレート頼りになりがち | 視聴者を飽きさせない効果的な構成と演出 |
| 成果 | 情報伝達レベルに留まる可能性 | 企業のブランドイメージ向上、問い合わせ・成約への貢献 |
プロは動画マーケティングの視点から、誰に何を伝えれば心が動き、行動(問い合わせや購入)に繋がるかを徹底的に計算して動画を設計します。
その結果が、再生数やコンバージョン率、成約率といった具体的な「成果」の差となって現れるのです。
また、動画の内製化は「人件費」が見えないコストとしてのしかかります。 例えば、担当者が企画、撮影、編集、修正対応に合計40時間かかったとします。その時間分の人件費を計算すると、実は外注費用と大差なかった、あるいは成果が出なかった分だけ企業の損失が大きかった、という事態に陥る可能性があります。
・目的と予算に応じて最適な「動画の作り方」を選ぼう
今回は、最新のAIツール「Google Vids」を使った製品紹介動画の作り方を解説しました。
Google Vidsのようなツールは、動画制作を自社で行うハードルを劇的に下げ、動画制作の内製化を推進する強力な武器になります。まずはこの記事を参考に、短い紹介動画からでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
その上で、「自社制作」してもいいコンテンツと「プロに依頼」するべきコンテンツを的確に見極め、動画を作る目的と予算に応じて最適な方法を賢く使い分けることこそが、動画マーケティング成功への最短ルートです。
動画は、作ることがゴールではありません。
優れた製品や技術の価値を顧客に届け、ビジネスを加速させるための「手段」です。東洋美術印刷では、目的に合わせて様々な動画コンテンツ制作にご対応いたします。まずはご相談だけでもぜひお気軽にお声がけください。
製品紹介動画以外にも、「動画営業」についてはこちらの記事で詳しく紹介しています:BtoB製造業の営業課題を解決する「動画営業」の可能性



