脱炭素はどこまで進んでる?各社の事例をご紹介

脱炭素はどこまで進んでる?各社の事例をご紹介SDGs

現在、日本を含む世界各国が脱炭素の取り組みを実施しています。脱炭素は一人一人が意識して取り組むべき問題です。特に家庭よりも二酸化炭素の排出量が多い企業は率先して活動を行うことが推奨されています。

今回は、企業が行うべき基本的な脱炭素の取り組みと、脱炭素の取り組みに成功している企業の事例を紹介します。

企業が脱炭素の取り組みに関して基本的にやるべきこと

企業が脱炭素への取り組みを始めるにあたって、基本的にやるべきことは大きく分けて3つあります。

シナリオ分析を行う

シナリオ分析とは、将来的な気温上昇が自社にもたらすリスクや機会を推測し、その結果に基づいて然るべき対策や戦略を講じることです。

将来気温が上昇することを考えたとき、現在あるいは将来自社がどのようなリスクを抱える可能性があるか、市場や技術にどのような変化が生じるか、政策や法律が改定された場合、どのようなリスクが考えられるか、など複数の項目に関してリスク重要度の評価を実施します。

その上で、「2℃の気温上昇が起こった場合」「4℃の気温上昇が起こった場合」など複数の世界を設定し、シナリオ群を定義します。

こうしてピックアップしてリスクと機会、シナリオ群を用いて、自社が被る金銭的な影響を評価し、具体的な対策を講じるのが一連の流れです。

シナリオ分析を行わないと、将来の気温上昇についてどのような対策を取るべきか、明確な方針やビジョンを打ち立てることができず、無駄な時間やコストを費やす原因となります。

限りある時間やコストを有効活用するためにも、最初の段階でシナリオ分析を行い、自社の状況や将来のリスク・機会、考えられる影響、必要な対策などをきちんと把握することが大切です。

 

ロードマップの策定を行う

脱炭素に向けての取り組みを実行するために、自社が行う対応を時系列でまとめたロードマップを策定します。

既に実施することが決定した取り組みはもちろん、今後検討の必要がある取り組みもロードマップに盛り込み、全体的な計画を可視化します。

なお、脱炭素は短期間で完遂できる取り組みではなく、少なくとも十年単位の中長期的なスパンで実行されるものです。

その間、当初策定したロードマップ通りに事が進むとは限らないため、定期的に現状を踏まえて計画を見直し、ロードマップを更新していく必要があります。

 

ステークホルダーにビジョンや取組内容を伝える

脱炭素への取り組みが可視化されたら、ステークホルダーに対して今後のビジョンや施策の内容を伝えます。

ステークホルダーが納得するような明確なビジョン、施策内容を伝えておかないと、自社に対する評価が下がり、経営に大きな影響をもたらす要因となるからです。

もちろん、今後のビジョンや施策内容だけでなく、取り組みの実施によって得られた成果も定期的に共有し、自社が実施する脱炭素への取り組みを理解してもらうよう努める必要があります。

 

脱炭素の取り組みに成功している企業の事例紹介

脱炭素の取り組みを行い、一定の成果を挙げている企業の事例を3つご紹介します。

セコム株式会社の事例

セキュリティサービスで知られるセコム株式会社は、2021年にセコムグループカーボンゼロ2045を策定し、2045年までに再生可能エネルギーの100%導入を目指しています。

具体的な取り組みとして、照明をLED化することで電力使用量を約60%削減するとともに、高効率化型の空調機器に切り替えることで1台あたりの電力使用量を約40%削減することに成功。

また、コピー機やスキャナーなどの機能を一台に集約した複合機を全社的に導入し、省スペース化および待機時や使用時の電力使用量を1台あたり平均35%削減しました。

さらに、デスクトップパソコンをシンクライアント端末に切り替え、サーバーと端末で使用する電力使用量を1台あたり約60%削減しています。

他にも、緊急対処や現金輸送、サービス対応、営業活動などで利用している車両が排出する二酸化炭素量を抑えるため、安全運転の推進活動を実施。

省エネ運転や安全運転の意識を高めることで、地球温暖化防止に努めるとともに、安全面も向上する一石二鳥の施策となっています。[注1]

 

三井不動産株式会社の事例

大手総合不動産デベロッパーである三井不動産株式会社では、グループ全体の温室効果ガス排出量を2030年度までに2019年度比で40%削減し、2050年度までにネットゼロを実現することを目標にしています。

具体的な取り組みとして、新築物件の全てにおいてZEB/ZEH水準の環境性能を実現し、年間一次エネルギー消費量を標準的な建物と比べて50%以上削減することに成功しています。

また、物件共用部や自社利用部について、使用電力を実質的に再生可能エネルギーにする電力グリーン化にも取り組んでいます。

他にも、再生可能エネルギーの安定的な確保を目指し、メガソーラー開発に着手。

既に全国5箇所において総面積93.9haのメガソーラー事業を展開しており、約7.2万kW、年間約0.8億kWhの発電を行っています。[注2] [注3]

 

阪急阪神ホールディングス株式会社

阪急電鉄や阪急阪神不動産などの事業を担う阪急阪神ホールディングス株式会社では、2050年度のCO2排出量の目標を実質ゼロに定め、CO2排出量の削減に取り組んでいます。

具体的な施策として、2013年に開業した阪急西山天王山駅は高速道路との結節機能を持たせ、駅と一体でパーク&ライドの駐車場や高速バスの停留所を設けることで、環境への負荷を低減するとともに利便性の向上を実現しています。

また、阪急電鉄や阪神電気鉄道において、省エネ性の高い車両の導入および更新に注力。

従来型の車両と比べて約50~60%の消費電力削減に成功しています。

他にも、大阪梅田ツインタワーズ・サウスにてエネルギー使用量・効率を見える化して省エネ運転・制御を行うとともに、温度設定を自動で行うシークエンス空調、空気環境を整えるデシカント空調など最新の省エネ設備を導入し、快適性と省エネの両立を図っています。[注4]

 

日本国内における脱炭素経営への取組状況

地球規模の課題である地球温暖化問題への解決に向けて、2015年にパリ協定が採択されて以降、国内では多くの企業が脱炭素に向けた目標設定や取り組みの実施に着手しています。

2023年9月30日時点では、企業の気候変動への取り組みや影響に関する情報を開示する「TCFD」に賛同表明している企業数や、企業の科学的な中長期の目標設定を促す「SBT」の認定企業数はともに世界第1位。

さらに、企業が事業活動に必要な電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうことを目指す「RE100」に参加している企業数は世界第2位となるなど、いずれも世界トップクラスを誇っています。

このように、日本企業の脱炭素への取り組みは世界的に見ても高い水準を維持しており、企業の規模を問わず脱炭素への積極的な取り組みが行われている実状がうかがえます。[注5] [注6]

 

まとめ

脱炭素に取り組み、自社の評価を高めよう

加速する地球温暖化を防止するために、現代の企業には脱炭素への取り組みが求められています。

まずは将来的な気温上昇によって自社にどのようなリスクや機会が及ぶのかを正確に把握した上で、脱炭素への取り組みに必要なビジョンや施策を策定するとよいでしょう。

脱炭素への積極的な取り組みはステークホルダーから高く評価され、自社の評価を向上し、さらなる成長・発展に繋がります。

既に脱炭素に取り組み、一定の成果を挙げている企業も多く存在するので、他社の事例も参考にしながら、自社に適した脱炭素に取り組むことが重要です。

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関連リンク

[注1] 地球温暖化防止|脱炭素・循環型社会|サステナビリティ重要課題|セコム株式会社
[注2] 環境関連データ|ESG/サステナビリティ|三井不動産
[注3] 2022年度 脱炭素社会実現への取り組み|脱炭素社会実現への取り組み|ESG/サステナビリティ|三井不動産
[注4] 環境保全の推進 | サステナブル経営の重要テーマ | サステナビリティ | 阪急阪神ホールディングス株式会社

[注5] カーボンニュートラルとは – 脱炭素ポータル|環境省
[注6] 企業の脱炭素経営への取組状況 | 地球環境・国際環境協力 | 環境省

 

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