知っておかないとダメ!景品表示法「優良誤認」「有利誤認」「打消し表示」…

知っておかないとダメ!景品表示法「優良誤認」「有利誤認」「打消し表示」…プロモーション

食品の表示を規制する食品表示法や、健康食品や化粧品の誇大広告を防ぐ薬機法(旧薬事法)など、広告における表示についての法令は数多くあります。

その中でも、食品や医薬品だけでなく、保険商品や金融商品など幅広い業界の広告表示に関わってくるのが景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)です。

企業のプロモーション担当者は、景品表示法の「優良誤認」「有利誤認」「打消し表示」の3つの不当表示について学び、消費者目線に立った広告展開をおこなうことが大切です。

この記事では、景品表示法の概要や、景品表示法の不当表示に当たる可能性がある広告の例をわかりやすく解説します。

 

景品表示法とは?広告の不当表示を防ぐための法律

景品表示法とは、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、商取引における広告の不当表示を防ぐための法律です。

景品表示法の不当表示は、商品の品質や内容が実際よりも優良であると見せかける「優良誤認表示(4条1項1号)」、商品価格などの取引条件が実際よりも有利であると見せかける「有利誤認表示(同2号)」のほか、商品の例外条件や制約条件をわかりにくく表示する「打消し表示」のトラブルの3つに分けられます。

 

事業者の広告表示が景品表示法に違反している場合、内閣総理大臣による広告の差止めや、都道府県知事による広告の取りやめといった措置がおこなわれる可能性があります。

食品、健康食品、化粧品だけでなく、保険商品や金融商品などのチラシやパンフレットを展開する企業は、景品表示法の3つの不当表示を学ぶ必要があります。

 

景品表示法で不当表示とされる3つのケース

景品表示法で不当表示とされるケースは、「優良誤認」「有利誤認」「打消し表示」の3つです。

それぞれについて具体例を挙げながら見ていきます。

① 商品の品質や規格が実際よりも優良であると見せかける優良誤認

優良誤認とは、商品やサービスの内容が実際よりも優良だと誤解させるような広告表示です。

例えば保険商品の優良誤認で多いのが、保険金(給付金)の満額が制限なしに支払われると誤解させるケースです。

 

生命保険協会の「生命保険商品に関する適正表示ガイドライン」でも、保険金の金額が「被保険者の年齢、契約後の年数、入院日数、対象疾病等の条件により減額または消滅する場合は、その旨が明瞭に表示されているか留意する」ことを求めています。[注1]

実際に2007年11月には、初期のがんとの診断だけで一時金が支払われると誤解させる旨の広告表示を行った生命保険会社に対し、優良誤認に当たるとして業務改善命令が出されています。[注2]

 

② 商品価格などの取引条件が実際よりも有利であると見せかける有利誤認

有利誤認とは、商品価格などの取引条件が消費者にとって実際よりも有利だと誤解させるような広告表示です。

保険商品のパッケージやパンフレットでは、特に支払保険料の加入条件に注意し、実際の支払い額よりも安いという誤解を与えさせない表示になっているか留意することが大切です。

 

また、パンフレット内で個々のモデルケースを提示し、支払保険料の金額を算出する場合は、生命保険協会のガイドラインにしたがい、誤解を防ぐために以下7点の内容を表記しましょう。[注1]

  1. 保険名称
  2. 契約年齢・性別
  3. 保険料を表示したモデルケースの保険期間
  4. 保険料を表示したモデルケースの保険料払込期間
  5. 保険料払込方法(月払・半年払・年払・一時払等)と払込経路
  6. 主な給付事由
  7. 主な給付事由による保険金額・給付金額等

 

③ 商品の例外条件や制約条件をわかりにくく表示する打消し表示

打消し表示とは、商品やサービスの内容に例外条件や制約条件があるとき、それを小さい文字で表示したり、わかりづらい配置場所に表示したりするような広告表示です。

「病気入院で日額10,000円支給」「大阪、シドニー間の往復航空券代60,000円~」など、パンフレットやパッケージでは商品やサービスのアピールポイントを大きく表示することが多いですが、こうした表示を「強調表示」といいます。

しかし、強調表示に対し、例外条件や制約条件を示す打消し表示があまりにもわかりづらいと、消費者が商品の短所やデメリットを把握できず、景品表示法違反に当たる可能性があります。

 

まとめ

景品表示法の規制内容を知り、消費者目線に立ったプロモーションを

消費者の不利益になりかねない広告表示は、広告の差止めや取りやめといった措置命令がおこなわれる可能性があるだけでなく、客離れやブランドイメージの低下を招きます。

広告プロモーションでは消費者目線に立ち、景品表示法の範囲でしっかりと商品やサービスのメリット・デメリットを伝えていくことが、長期的には企業の利益につながります。

 

関連リンク

[注1] 生命保険協会:生命保険商品に関する適正表示ガイドライン
[注2] ロイター:アリコにパンフレット誤表示で業務改善命令=金融庁

 

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