顧客本位の業務運営 第5原則「重要な情報の分かりやすい提供」とプロモーション

顧客本位の業務運営 第5原則「重要な情報の分かりやすい提供」とプロモーションプロモーション

近年、金融機関(受託者)が金融商品を購入するお客様(受益者)に対し、真摯なサービス提供をおこなうことを求めるフィデューシャリー・デューティー(Fiduciary duty)の重要性が叫ばれています。

実際に金融庁により、2021年1月15日に「顧客本位の業務運営」が改訂されました。

2021年4月12日には「顧客本位の業務運営の取組方針等に係る金融庁における好事例分析に当たってのポイント」が発信され、金融事業者は好事例を創出するために努力をつづけています。

お客様に選ばれる金融機関であるためには、特に「顧客本位の業務運営」の原則5の「重要な情報の分かりやすい提供」に留意することが大切です。

この記事では、金融業者のプロモーションにおいて、「重要な情報の分かりやすい提供」を実現するためのアイデアを紹介します。

顧客本位の業務運営の第5原則「重要な情報の分かりやすい提供」の留意点

金融庁が定めた「顧客本位の業務運営」とは、金融機関に対しお客様目線での良心的なサービスの提供や、お客様にとってわかりやすい情報提供をおこなう義務を定めたガイドラインです。

その中でもお客様に信頼されて選ばれる金融機関であるために重要なのが、原則5の「重要な情報の分かりやすい提供」です。

金融商品・サービスを提供する金融機関(受託者)と、購入するお客様(受益者)の間には、情報の非対称性が存在します。

フィデューシャリー・デューティーの重要性が増す今、金融商品・サービスのメリットだけでなく、手数料、リスク、不確実性といったデメリットも漏らさず、真摯に情報提供していく姿勢が金融機関には求められています。

 

顧客本位の業務運営を実現する2つのアイデア

「重要な情報の分かりやすい提供」を実現するには、まず通常の窓口業務においてご高齢のお客様や金融知識が乏しいお客様に対し、丁寧なご説明を心がけることが大切です。

またお客様に提供するパンフレットや重要事項説明書など、紙媒体の募集資料の「わかりやすさ」を追求することでお客様との情報の非対称性を解消しやすくなります。

顧客本位の業務運営を実現する2つのアイデアを紹介します。

印刷物のわかりやすさの指標「UCDA認証」を取得する

お客様にとって「見やすいデザイン」「伝わりやすいデザイン」には、いくつか共通点があります。

ユーザーも混じえた産学連携での議論をもとに「見やすいデザイン」「伝わるデザイン」の条件を整理し、印刷物のわかりやすさを客観的に評価するための基準を確立したのが、一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)が運営するUCDA認証です。

UCDA認証には、印刷物の見やすさを追求する「見やすいデザイン」認証、お客様の理解度を高める「伝わるデザイン」認証の2種類があります。

金融機関が提供するパンフレットや重要事項説明書で、UCDAの「見やすいデザイン」認証や「伝わるデザイン」認証を取得することで、既存の募集資料の問題点を客観的に洗い出し、「重要な情報の分かりやすい提供」を実現することが可能です。

 

NPS(ネットプロモータースコア)を導入し、取り組み評価を可視化する

金融庁の「顧客本位の業務運営の取組方針等に係る金融庁における好事例分析に当たってのポイント」では、わかりやすい情報提供の取り組みだけでなく取り組み自体を「検証し、評価する仕組み」を設けることが求められています。

そこで役に立つのが、NPS(ネットプロモータースコア)の導入です。

NPSとは顧客を推奨者・中立者・批判者の3つに分類し、サービスの満足度を数値化する評価手法です。

金融商品などを販売した顧客に対しNPS調査を実施することで、顧客本位の業務運営ができているか重要な情報の分かりやすい提供ができているかを可視化し、取り組み内容の改善につなげられます。

 

まとめ

「重要な情報の分かりやすい提供」に取り組み、フィデューシャリー・デューティーを果たすことが大切

金融庁が発表した「顧客本位の業務運営」をきっかけとして、金融業界ではフィデューシャリー・デューティーの重要性が増しています。

特に金融機関と消費者の間の情報の非対称性を解消するため、金融事業者は「重要な情報の分かりやすい提供」に取り組むことが大切です。

「重要な情報の分かりやすい提供」を実現するポイントは、UCDA認証の取得をはじめとした印刷物のわかりやすさの追求、NPSの導入による取り組み評価の可視化の2点です。

金融商品・サービスのメリットだけでなく、デメリットも漏らさずわかりやすく伝える姿勢が求められています。

 

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