脱炭素化に向けてできることとは?日本の実現目標も解説

脱炭素化に向けてできることとは?日本の実現目標も解説SDGs

2020年10月、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。

しかし、二酸化炭素などの温室効果ガスの削減は一部の企業だけの努力目標ではありません。

個人や企業もリサイクルや資源の節約に取り組むことで、「脱炭素社会」の実現に貢献できます。

この記事では、脱炭素化の意味や必要とされる社会背景、日本政府の掲げる実現目標、その達成に向けて個人や企業にできることを解説します。

脱炭素化は二酸化炭素などの温室効果ガスを減らす取り組みのこと

脱炭素化とは、気候変動の原因の一つである二酸化炭素などの温室効果ガスを減らす取り組みのことです。

経済産業省資源エネルギー庁は、脱炭素化を「温室効果ガスの人為的な排出量と森林などの吸収源による除去量のバランスを取るために、温室効果ガス排出量を低減していく」取り組みと定義しています。 [注1]

つまり、人間の経済活動などを通じて排出される温室効果ガスと、光合成などによって吸収される温室効果ガスの量を差し引きゼロにするのが脱炭素化の目的です。

資源エネルギー庁によると、日本が排出する二酸化炭素のうち、電力部門が占める割合は約40%、その他の産業や家庭に由来する割合は約60%となっています。[注2]

温室効果ガスの排出量が多い電力部門だけでなく、個人や企業も脱炭素化の実現に向けて取り組む必要があります。

 

なぜ「脱炭素化」が必要なのか?

そもそも、なぜ「脱炭素化」を目指す動きが広がっているのでしょうか。

脱炭素化に国際的な注目が集まったのが、2015年に締結されたパリ協定です。

パリ協定の目的は、国際社会が協調して温室効果ガスを削減し、地球温暖化を始めとした気候変動のリスクを低減することにあります。

そのため、1997年に締結された京都議定書と異なり、途上国をふくむ温室効果ガスの主要排出国が対象となっています。

経済産業省資源エネルギー庁によると、パリ協定の長期目標は次の2点です。[注3

  • 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃までに抑える努力をする
  • できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と森林などによる吸収量のバランスをとる

世界気象機関(WMO)によると、2021年は観測史上7番目に平均気温が高い年となりました。 [注4]

世界の平均気温が年々上昇し続けるなかで、気候変動のリスクを減らすため、脱炭素化に向けた個人や企業レベルの取り組みが求められています。

 

脱炭素社会における日本の実現目標

脱炭素社会を実現するため、日本政府もさまざまな目標を掲げています。

2020年10月には、当時の菅総理が「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目標に掲げました。

臨時国会における菅総理の所信表明演説の一部を引用します。[注5]

「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。」

 

そのほか、脱炭素化の実現のため、日本政府は以下のような目標を定めています 。[注3]

  • 2030年の温室効果ガスの排出量を、2013年度比で26%削減する
  • エネルギーミックスを推進し、2030年に総発電電力量を17%削減する
  • 再生可能エネルギーの比率を22~24%、原子力エネルギーの比率を20~22%に増やす

 

脱炭素社会に向けて私たちができる7つのこと

脱炭素社会の実現に向けて、個人や企業にできることは7つあります。

① リサイクルを心がける

一般家庭や企業から出るゴミ・廃棄物も温室効果ガスの発生源の一つです。

ゴミや廃棄物を処理するため、処理場に移送し燃焼させる過程で二酸化炭素を始めとした温室効果ガスが発生します。

リサイクルを心がけ、ゴミや廃棄物の量を減らすことが脱炭素化へとつながります。

 

② 電気自動車やハイブリットカーに乗る

ガソリン車やディーゼル車は、内燃機関を燃焼させる過程で温室効果ガスをふくむ排気ガスが発生します。

そのため、内燃機関ではなく電動機で走行する電気自動車(EV)や、ガソリンと電気で動くハイブリッドカーに乗り換えることで、脱炭素化に貢献できます。

 

③ 食品ロスを削減する

一般家庭や企業での食品廃棄量を減らすことも重要です。

食品は生産、製造、輸送、廃棄と、サプライチェーンの全プロセスで温室効果ガスを発生させます。

まだ食べられる部位の利用や外食時の持ち帰りなど、少しずつ食品ロスの削減に向けて取り組みましょう。

 

④ グリーンエネルギーに切り替える

太陽光や風力など再生可能なグリーンエネルギー由来の電気を使うのも一つの手です。

2016年の電力自由化により、家庭や商店でも自由に電力会社を選んで契約できるようになりました。

中にはグリーンエネルギー由来の電力を提供している業者や契約プランもあるため、普段の生活から脱炭素化への貢献ができるのです。

 

⑤ 公共交通機関を利用する

鉄道やバスなどの公共交通機関が発達した都市部にお住まいの方は、普段から利用するだけでも立派な脱炭素化実現を支える取り組みといえます。

近年では新幹線や電車を使った貨物輸送も始まっており、公共交通機関は環境面だけでなく渋滞の影響を受けずに利用できる点も注目されています。

 

⑥ 地産地消等エシカル消費を意識する

エシカル消費とは社会や環境への配慮がなされた商品を優先的に購入・利用する消費行動のことです。

脱炭素化におけるエシカル消費の例としては、持続可能性を考慮して適切に管理されている木材を用いた製品や、生産ラインにおいて温室効果ガスの排出量を下げるための取り組みを行っている製品などが挙げられます。

 

⑦ カーボンオフセットする

カーボンオフセットとはどうしてもオフィスや工場などから出てしまう温室効果ガスを削減するのではなく、代わりに森林保護など脱炭素化につながる活動を支援して埋め合わせることを指します。

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素化に取り組む企業も増えている現在、カーボンオフセットへの注目も高まっています。

 

脱炭素社会の実現に向けて、個人や企業レベルでの取り組みを!

脱炭素社会の実現には、温室効果ガスの排出量が多い電力部門だけでなく、個人や企業レベルの取り組みも重要です。

日本政府は「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表するなど、脱炭素化に向けてさまざまな実現目標を定めています。

脱炭素社会を実現するため、まずは「リサイクルを心がける」「食品ロスを削減する」などの身近な取り組みから始めましょう。

 

・関連資料のリンク

[注1] 経済産業省資源エネルギー庁:日本の新たな国際資源戦略 ④気候変動対策とセットで考える資源開発・利用
[注2] 経済産業省資源エネルギー庁:令和2年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2021)

[注3] 経済産業省資源エネルギー庁:今さら聞けない「パリ協定」〜何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~
[注4] 一般財団法人環境イノベーション情報機構:「世界気象機関、2021年は史上7位以内の高温の年と報告」
[注5] 経済産業省資源エネルギー庁:「「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?」

 

・関連資料のダウンロード

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丸山博司
マーケティング&営業本部長 兼マーケティング部長
丸山博司
1995年に東洋美術印刷株式会社入社。営業職を経て2016年からマーケティングマネージャーとして従事。UCDA認定1級資格を保有し、「わかりやすい情報提供」のコンサルティングも行っている。
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