カタログ制作のキホン(後編)

カタログ制作のキホン(後編)プロモーション

前回の「カタログ制作のキホン(前編)」では、カタログの主な種類とその特徴、カタログ制作におけるデザインのポイントをご紹介しました。

今回の後編では、カタログ制作の一般的なフローや、カタログ制作発注における業者選定のポイントについて解説します。

カタログ制作はどのような流れで進めていくのか、カタログ制作を発注する業者はどのような基準で選べばよいのか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

前回の「カタログ制作のキホン」をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。

カタログ制作の一般的なフロー

カタログ制作の一般的な流れは以下のようになります。

  1. カタログに関する基本情報や条件の整理
  2. 業者の選定・見積もり
  3. 原稿の整理
  4. デザイン作成
  5. DTPデータ作成
  6. 入稿・最終確認
  7. カタログの印刷・製本・納品

以下ではカタログ制作の流れに沿ってそれぞれのポイントを解説します。

カタログに関する基本情報や条件の整理

まず、カタログの制作目的やターゲット層、コンセプト、制作期間、予算など、カタログ制作に関する基本的な情報や条件を整理していきます。

特に制作の目的やコンセプトが決まっていないと、以降のフローに滞りや支障を来す原因となりますので、はっきりと明確化しておくことが大切です。

制作コストは想定されるページ数や発行部数などを基準に大まかな金額を決めておきます。

業者の選定・見積もり

カタログ制作を発注する業者を選定します。

カタログ制作を請け負っている業者は複数ありますが、それぞれサービス内容や料金体系、得意分野などに違いがありますので、自社のニーズに合った業者を選ぶことが大切です。

業者選びのポイントについて、詳しくは後述します。

業者を選定したら、カタログ制作の基本情報や条件を提示し、見積もりを依頼します。

原稿の整理

見積もり内容に納得したら、業者と打ち合わせを行い、カタログ制作の具体的な構成を決めていきます。

ページ数や1ページあたりに掲載する商品の数といった基本的な情報はもちろん、写真撮影の時期や訴求ポイント、デザインのコンセプトといった情報も整理します。

なお、原稿を整理するにあたっては、企画や構成の最終決定権を誰が持つのかを明らかにしておきましょう。

この点があいまいになっていると企画・構成がスムーズに行かず、納期に余裕がなくなってしまうので要注意です。

企画・構成と並行して、カタログに掲載する商品の名前や品番、紹介文など、原稿に必要な情報もまとめておきます。

デザイン作成

カタログの表紙や裏表紙、本文のデザインを作成します。

カタログのコンセプトやターゲット層を元に、掲載する写真やイラスト、レイアウト、色合いを決めていきます。

コンセプトやターゲット層にマッチしないデザインにすると訴求力が低下する原因になりますので、業者と相談しながら適切なデザインを採用しましょう。

DTPデータ作成

DTPとはDesktop Publishingの略称で、パソコンで印刷物のデータを制作することです。

前のステップで作成したデザインをパソコンに入力し、DTPデータを作っていきます。

DTPデータは印刷物の元になるデータなので、実際の仕上がりをイメージしながらテキストや画像などを配置します。

なお、DTPデータの初稿はたたき台となるケースが多く、業者に出稿した後、校正を経て修正を入れるのが基本です。

カタログのページ数が多い場合、まとめて出稿→校正・修正という形を取るとかなりの日数を要するので、完成したデータから分割で出稿していくことになります。

入稿・最終確認

校正と修正を経て完成させたデータを業者に入稿します。

その後、業者から色味や内容の最終確認を求められるので、当初のイメージ通りに作成できているか。原稿の内容に不具合はないかどうかなどをチェックします。

最終確認が終わったら印刷工程に入り、修正ができなくなってしまうので、複数名でダブルチェック・トリプルチェックを行うとよいでしょう。

最終確認で不備が見つかった場合は修正指示を出し、再度チェック作業を行います。

カタログの印刷・製本・納品

仕上がりに納得したら、カタログの印刷・製本作業に入ります。

この段階まで来たら発注側がすることはありませんが、場合によっては印刷作業への立ち会いや仕上がり確認などを行うこともあります。

印刷が完了したら、ページを折って綴じていく製本作業を行い、完成したカタログが発注者の元へ納品されます。

以上がカタログ制作の基本的な流れです。

準備段階から納品までに掛かる日数はカタログのボリュームなどによって異なりますが、おおよそ5~7カ月ほどの期間を要します。

各工程の進捗状況によってはさらに長い期間が掛かることもありますので、カタログの発行日をずらせない場合は、なるべく早めにカタログ制作の準備および業者の選定に取りかかることが大切です。

カタログ制作発注における業者選定のポイント

カタログ制作を依頼する業者を選ぶ際に重視する点はそれぞれですが、ここでは業者選定の主なポイントを3つご紹介します。

1. 制作実績をチェック

カタログ制作のノウハウはこれまでの制作実績によって培われていきます。

実績が豊富な業者ほど、「コンセプトに沿ったカタログを制作するにはどのようなデザインを採用すべきか」「ターゲットに対してどのようにアプローチすべきか」「ニーズを満たしつつ、予算内に納めるにはどうすればよいか」などの課題や問題に対し、適切なアドバイスや提案を行ってくれます。

制作実績は業者のホームページなどに掲載されていることが多いので、実績数や制作事例などをチェックし、なるべく制作実績が豊富な業者を選定することをおすすめします。

2. サービス内容をチェック

カタログ制作業者と一言にいっても、対応しているサービス内容は業者によって異なります。

カタログの印刷だけを請け負っている業者もあれば、カタログのデザインや組版、写真の撮影などのサービスに対応している業者もあります。

カタログ制作の大半を外注したい場合は、幅広い制作工程に対応している業者を選ぶ必要がありますので、サービス内容と範囲をあらかじめチェックしておきましょう。

紙の印刷物だけでなく、Webカタログの掲載も検討している場合は、デジタルブック制作サービスを請け負っているかどうかも確認が必要です。

3. 見積もり内容をチェック

業者が発行した見積もり書は、必ず細部まで確認しましょう。

見積もり書の様式は業者によって異なりますが、費用の内訳が詳細に記されていれば良心的な業者と判断できます。

「カタログ制作一式」など、内訳が明記されていない場合、後々追加で料金を請求される可能性があるので要注意です。

内訳が細かく明記されている場合でも、内容がよくわからない項目があったときは業者に説明を求めましょう。

質問や問い合わせに対し、迅速かつ適切な対応をしてくれるかどうかも、業者選定の基準となります。

まとめ

カタログ制作の基本的な流れと業者選定のポイントをしっかり押さえておこう

カタログ制作は、原稿の基本的な情報の整理からスタートし、企画・構成やデザイン作成、データ作成など複数のプロセスを経て進められていきます。

個々のプロセスで要点をしっかり押さえておかないと、イメージやコンセプトと異なるカタログになってしまうおそれがありますので、大まかなフローを確認した上で、確実にタスクをこなしていく必要があります。

初めてカタログ制作を行う場合は、企画・構成やデザイン作成などの段階でつまずいてしまうことも多いので、カタログ制作をトータルで請け負う業者を選んだ方がよいでしょう。

東洋美術印刷では、お客様のニーズやご要望に応じて、グラフィックデザインや情報のユニバーサルデザイン、組版などカタログ印刷に関連するさまざまなサービスを提供しています。

紙の印刷はもちろん、デジタルブック制作にも対応していますので、カタログ制作をお考えの方はぜひ東洋美術印刷へお気軽にご相談ください。

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