マーケティングとブランディングの違いとは？役割や具体例を紹介

商品やサービスを販売するうえで大切なのが、マーケティングとブランディングの関係性を知ることです。

マーケティングとブランディングは異なるプロセスですが、この2つは密接な関係があります。

マーケティングとブランディングを組み合わせれば、ビジネスをより成長に導くことが可能です。

この記事では、マーケティングとブランディングの違いや関係性を解説します

マーケティングとブランディングの違いとは

マーケティングとブランディングは、それぞれ異なる目的や役割を持ったプロセスです。

マーケティングとブランディングの違いについて、具体例を挙げながら解説します。

マーケティング（Marketing）とは、商品やサービスの価値を消費者に伝達し、売れる仕組みをつくる活動のことです。

自社の商品に他の企業にはない魅力や価値があっても、それが消費者に伝わらなければ購買行動につながりません。

そのため、「市場分析」「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」「マーケティングミックス」「実行とフィードバック」の6つのプロセスを通じて、商品が売れそうなターゲットを選別し、商品の魅力をアピールするのがマーケティングの役割です。

プロセス	概要
市場分析	市場や競合他社の動向などのデータを収集し、自社の強みや取り巻く環境を整理すること
セグメンテーション	市場分析に基づいて市場を細分化し、属性やニーズなどの共通点を持ったグループに切り分けること
ターゲティング	市場グループのなかから、自社の商品がもっとも売れそうなターゲットを選別すること
ポジショニング	ターゲットにおける自社の立ち位置を決定し、競合他社と差別化する戦略を考えること
マーケティングミックス	「製品（Product）」「価格（Price）」「流通（Place）」「広告（Promotion）」の4Pに基づいて、商品を売るためのマーケティング戦略を考えることより顧客視点に立ったビジネスモデルの場合、「顧客価値（Customer Value）」「価格（Cost）」「利便性（Convenience）」「コミュニケーション（Communication）」の4Cを採用する場合もある
実行とフィードバック	マーケティング戦略に基づいて顧客にアプローチし、効果測定を通じてマーケティング活動を改善すること

消費者は商品を購入するとき「よく知っている」「効果がありそう」といった価値やイメージに基づいて意思決定をします。

そうした価値やイメージを創造し、消費者の意思決定をサポートする活動がブランディング（Branding）です。

ブランディングはマインド・アイデンティティ（MI）、ビジュアル・アイデンティティ（VI）、ビヘイビア・アイデンティティ（BI）の3つの領域に分かれています。

MI マインド・アイデンティティ	企業の目指すべき目標や社会的責任など、消費者に発信したい企業理念を言語化すること
VI ビジュアル・アイデンティティ	ブランドロゴやキービジュアルなどを作成し、企業理念をビジュアル化すること
BI ビヘイビア・アイデンティティ	企業理念を実践するため、具体的な事業の形に落とし込むこと

マーケティングは「顧客にアプローチし、商品が売れる仕組みをつくる活動」、ブランディングは「企業のイメージを形成し、競争優位性を獲得する活動」に当たります。

例えば、ビールを販売したい場合、大手メーカーの商品や現在の消費トレンドを分析し、自社のビールが売れる仕組みをつくるのがマーケティングです。

一方、ビール市場における競争優位性を獲得するため、他社の商品にはないアイデアづくりや、ファンを対象としたイベントの開催、個性的な企業文化のアピールなどの手段を講じるのがブランディングです。

ブランディングを通じて消費者のイメージを形成することで、よりマーケティング活動が成功しやすくなります。

マーケティングとブランディングは異なるプロセスですが、切っても切れない関係にあります。

商品やサービスの売上を最大化するには、マーケティングとブランディングの関係性を正しく知ることが大切です。

商品が売れる仕組みをつくるためには「他の企業よりも効果がありそう」「他の企業にはない魅力がある」といった消費者のイメージ形成が重要になります。

ブランディングの下地ができていれば、マーケティングの効果をさらに大きく増幅させることが可能です。

一方、ブランド戦略を成功させるには、広告宣伝、営業活動、店舗接客など、マーケティング活動を通じて一貫性を保ち、消費者に同じイメージを発信しつづける必要があります。

マーケティングとブランディングを組み合わせることが売上アップの近道です。

マーケティングとブランディングの関係性を正しく理解しよう

マーケティングとブランディングは異なる役割や目的を持ったプロセスです。

しかし、マーケティングとブランディングはとても密接に関係しています。

マーケティングの効果をブランディングで増幅させたり、マーケティングの一貫性によってブランド戦略を補強したりと、マーケティングとブランディングを組み合わせることが大切です。